So-net無料ブログ作成
検索選択

『トリック・ベイビー』 [BlackCinema]

『トリック・ベイビー』(1972)
b65a.jpgb65b.jpg

 白人に見える黒人男詐欺師の話。
 「白い肌の黒人」の物語は、古くからあるようだ。
 ジェームズ・ウェルドン・ジョンソン『もと黒人の自伝』(1912)、
ネラ・ラーセン『白い黒人』(Passing 1929) 
などは翻訳されている。
 パッシングとは「白人のふりをして生きる」ことを指す。
 パッシング・ノベルと命名される傾向が(今なお)あるわけだ。
b65c.jpgb65d.jpg

 アイスバーグ・スリムの原作による『トリック・ベイビー』は、詐欺師コンビの犯罪小説。
 映画は未公開で、知る人は少なく。
 原作が翻訳されたのも、作者の死後。
 話題になるための条件は、残念ながら、そろわずに終わった。
 スリムには『あるポン引き野郎の肖像』というフィルムもある。
 小説も実人生に劣らず「面白い」キャラクターなんだが。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ『ウォーターメロン・マン』 [BlackCinema]

メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ『ウォーターメロン・マン』(1970)
2009.01.17
b64a.jpgb64b.jpg
 メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ MVP が『スウィート・スウィートバック』の前年に撮った作品。
 西瓜男の悲喜劇である。
b64c.jpgb64d.jpeg

 醜男が、ある朝、目覚めたら、絶世の美男子に変身していた、という話は、マルセル・エイメの『第二の顔』。
 (そのパクリがアベなんたらの『他人の顔』)
 この映画では、ごく普通の白人の勤め人が、ある朝、目覚めたら、マックロの黒人に変身していた、という発端。
b64e.jpg
 黒い肌をして「オレは白人だ」と叫んでも、ただ空しい。
 変身後を演じるのは、ゴットフリー・ケンブリッジ。
 「中味はシロイんだ、信じてくれ」といえばいうほど、おかしい。
 不条理な哄笑がつづくうち、やがて、人間性の深淵が、ほの視えてくる(?)ようなトラジ・コメディなのである。
 b64f.jpgb64g.jpgb64h.jpgb64i.jpgb64j.jpgb64k.jpg


nice!(0) 
共通テーマ:映画

『墓にツバをかけろ』 [BlackCinema]

『墓にツバをかけろ』(1959)
 2009.01.06
 これは、DVDを購入して、やっと観た。
 公開時は、まだ子供だったから、紹介記事をよんでコーフンしたのみ。
b63a.jpgb63b.jpg

 「白い肌をした黒人」の物語。
 弟(黒い肌の黒人)をリンチで殺された兄の復讐は、ボスの女を寝取ることから始まり……。
 クリスチャン・マルカンのやりたい放題。
 まあ、単純な活劇で、この時期のフレンチ・ノワールだから、ジャズも愉しめる趣向だ。

b63c.jpgb63g.jpg
 原作および脚本は、才人ボリス・ヴィアン。
 といっても、最初は、アメリカ黒人作家の「問題作」翻訳というふれこみで刊行された。
 「白い仮面をかぶった黒人」の物語を、ヴィアンは「黒い仮面」をかぶって書いたわけだ。
 この仮面の「二重化」をあんまり面白がってもしかたがないけれど……。
 多芸多才の寄席芸人ヴィアンの悪趣味?
 それを肥大させたフランス文化の「黒人文学コンプレツクス」を考えるべきかも。

b63d.jpg

b63f.jpgb63e.jpg


nice!(0) 
共通テーマ:映画

リチャード・プライス『フリーダムランド』 [BlackCinema]

『フリーダムランド』
2007.02.08
b62d.jpgb62a.jpg

サミュエル・L・ジャクソン  ジュリアン・ムーア

 リチャード・プライス原作&脚本。
 長大なドキュメンタリ・タッチをコンパクトなシナリオにまとめあげる二刀流に感服。
b62c.jpgb62b.jpg


nice!(1) 
共通テーマ:映画

スパイク・リー『インサイド・マン』 [BlackCinema]

スパイク・リー『インサイド・マン』
2006.06.12
b61b.jpgb61a.jpg

 よく出来たハリウッド製サスペンス。
 という以上の感想が湧いてこない……。
 『サマー・オブ・サム』 (1999)とか、『オールド・ボーイ』 (2013)とか、わけのわからないものを観せられるより、こういう安定路線のほうがいいのは確かだけれど。
 『クロッカーズ』 (1995)と較べてみれば、作家的後退は否定しようもない。


 ブラックネスを感じ取れたのは、3場面くらいだった。
 人質にされた黒人の子供が、ブラックばかり的にするストリート・シューティング・ゲームに熱中して親爺を呆れさせるシーン。
 容疑者として「ターバン野郎」を片っ端からしょっぴいてきて、署内で恫喝をかけるシーン。
 つまらない主役を押しつけられたデンゼルが、一瞬だけアドリブのように見せる「地」の表情と仕草。


nice!(1) 
共通テーマ:映画

ヘクトール・バベンコ『カランジル』 [BlackCinema]

 ヘクトール・バベンコ『カランジル』 03年製作
b39a.jpgb39b.jpgb59a.jpg
 2004年12月2日木曜 VIDEO
 これも未公開。
 ブラジル発。
 『蜘蛛女のキス』のバベンコ、久方ぶりの作品。
 ストレートな刑務所映画である。
b59c.jpgb59b.jpg
nice!(0) 
共通テーマ:映画

ウォルター・ヒル『デッドロック』 [BlackCinema]

 ウォルター・ヒル『デッドロック』 02年製作
 2004年6月16日水曜 VIDEO
b38.jpg
 ブラック版・刑務所版『ストリート・ファイター』
 ウェズリー・スナイプス ヴィング・レイムズ
 最高の顔合わせだ。
 ヒルひさびさのヒット。
 胴元のピーター・フォーク、看守長のマイケル・ルーカー、囚人のウェス・ステュディ。
 脇役も豪華。
nice!(0) 
共通テーマ:映画

『シティ・オブ・ゴッド』 [BlackCinema]

 フェルナンド・メイレレス『シティ・オブ・ゴッド』 02年製作
 2004年4月13日火曜 VIDEO
b36.jpg
 もうブラックシネマの鉱脈は尽きてしまったか。
 一回りして、同一のテーマがブラジルから発信されてきた。
 リオデジャネイロ ゲットー
 時間をさかのぼり、強引に飛躍するドラマ編集が明らかにタランティーノ・スタイルの投影になっているところに驚く。
 というか、かなり遅れた時期にこれを観る自分。

b56a.jpgb56b.jpg

 ブラックシネマの時代も、映画館に通いつめた時代の最後を飾るかのように、遠く色褪せていった。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

『Wellcome to DEATH ROW』 [BlackCinema]

 ホームページ更新日記2006.11.015
 音なしにはいられない

 かつての「音なしではいられない」状態がもどってきている。
 調子が上向きというより、むしろこれが当たり前だから可もなし不可もなしといったところだろう。
 主にインターネットラジオ利用だが、快適な環境を探すのに手間がかかった。マシーンは買い替えだろうな。
deathrow_jac.jpg

 遅ればせながら、ドクタ・ドレー『クロニクル』を繰り返し。
 これはDEATH ROW のベスト・アルバムでもあり、さすがの重量感だ。
 付録で、ドレーとスヌープ・ドギー・ドッグのデュエット「Nothin' but a G Thang」のMTVが入っている。
 ドレーのソロはあまり印象に残らないけれど、このトラックはいい。スヌープと並んでもカリスマ性がある。
 あとは、ドレーとアイス・キューブによる「ナチュラル・ボーン・キラー」だな。

 それにしても『Wellcome to DEATH ROW』のDVDは最高だった。
 これが「もう一つの」アメリカだと。
b60b.jpgb60c.jpg

 2PACの犬死にのような銃撃死についても、ようやくというか、得心がいった。
 ああなるしかなかったわけだ。
 八ヶ月のあいだに150曲つくったアベレージも、死の予感という説明ですべてぴったりくる。
 伝説は必要なのだが、生きていては伝説化しない。
b60a.jpgb60d.jpgb60e.jpg


 『トリプルX ネクストレベル』の、サミュエル・L・ジャクソンとアイス・キューブの掛け合いにある。
 「それはだれの名セリフだ」と訊くサミュエルにキューブは「トゥーパックさ」と答える(字幕は「ラッパーさ」だったが)。
 映画自体は、ヴィン・ディーゼルが降りてしまって、急遽主役を振られたキューブはその手の華のあるアクション・スターではないから、おかげで劇場公開もなしの低調さだった。
 ブラック版007シリーズにはならず。


 とにかく、いま何を聴くか、といったら、HIPHOPしかないみたいな……。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

『ストレイト・アウタ・コンプトン』 [BlackCinema]

『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観てきた。
(このページはメモリアルのためにつくっているけれど、今日の分は例外)

 先行ロードショーの三日目。
 
平日の午前中とはいえ、盛況だ。
 正直、期待を大きく上回る完成度とパワーに圧倒されっぱなしの、2時間半。
b00a.jpgb00b.jpg

 これは、ブラックシネマの頂点を極めたといっていい傑作ではないか。
 映画館の大画面と大音響で鑑賞するのがふさわしい作品は、年々ますます少なくなっている。
 まして、もう一度、この映画館に来てみたいと思わせるものなんて……。
 この作品ほど映画という「環境」の偉大さをストレイトに発信するものは、近年ほんとうに見当たらない。
 監督は『セット・イット・オフ』のF・ゲイリー・グレイ。
b00c.jpg

 上画像の後列が、アイス・キューブ、 F・ゲイリー・グレイ、ドクタ・ドレー。

 50セントの『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』にしろ、ビギー・スモールの『ノトーリアスB.I.G』にしろ、ギャンダスタ・ラッパーの伝記映画(サクセス・ストーリー)に期待するものはあまりなかった。
 せいぜいが、CDアルバムの付録につく特典映像みたいなものか。
 最近の『ジェームズ・ブラウン』にしても、「偉人伝」の様式になっているところが気色悪い。
 しかもその偉人の業績には、いたるところに「ただし黒人の」という注釈が注意深く、しかし目立ちすぎないような細心の配慮をもって刻まれているのだ。
 こうしたポリティカル・コレコクネスの産物を、ブラツクシネマと呼ぶことは出来ないだろう。

b00d.jpg
 N.W.A.の軌跡は、伝説をつくる素材に事欠かなかった。
 成功とともにやってきたメンバー同士の反目、仲間の早すぎる死、デスロウ・レコードをめぐる数々のスキャンダル、「ファック・ダ・ポリス」への警察組織の過剰反応、ラッパー仲間の内ゲバを煽る興行師……。

 もちろん、材料豊富なだけでは、傑作はつくれない。
 ここには、監督グレイをはじめとする制作者・出演者の初志がある。
 ブラックシネマの原点、N.W.A.(主張あるニガズ)の主張の原点、それを回復しなければならない。
 これは、ロス暴動に収斂していった「一つの時代」の回顧ではない。
 終わってしまった「伝説の季節」を美化するものではない。
 自然と口をついてくる「ファック・ダ・ポリス」の叫びは、まったく現在のものだ。20年前と変わらぬ現在のものだ。
 ブラザー、何も変わっちゃいない。

 


nice!(0) 
共通テーマ:映画

マーク・フォースター『チョコレート』 [BlackCinema]

 マーク・フォースター『チョコレート』 01年製作
 2004年2月18日水曜 VIDEO
b35.jpg  b55a.jpg
 ハリー・ベリーが黒人女優として初めてアカデミー主演女優賞に輝いたことでも話題になった。
 それはそれとして結構なことだが。
 
ドラマつくりの御都合主義に居心地悪くなる作品だ。
b55b.jpgb55c.jpg
 人種差別ネタをロマンスという甘味菓子でくるんだらオーケーというわけだろうか。
 結ばれるカップルは、
それぞれゾッとするほどのエゴイストなのだ。
 二人とも我が子を見殺しにして平気な顔をしているし、男のほうは父親を老人ホームに遺棄してしまう。
 親しい者の犠牲の上に立つしかない二人のハッピィエンドって何なの。
nice!(0) 
共通テーマ:映画

ジョン・シングルトン『サウスセントラルLA』『ワイルド・スピードX2』 [BlackCinema]

 ジョン・シングルトン『サウスセントラルLA』 01年製作
 2003年3月15日土曜 VIDEO
 タイリース・ギブソン  スヌープ・ドッグ  ヴィング・レイムズ  
b34.jpg
 『シャフト』のリメイクがあるなど、シングルトンも作品を撮る機会に恵まれなかった。
 これは手馴れたストリートの青春もの。

 ジョン・シングルトン『ワイルド・スピードX2』 03年製作
 2004年4月17日土曜 VIDEO
b57a.jpgb57b.jpg
 ヒット作のシリーズ二作目ということで、漫然と観ていた。
 DVD特典のメイキングを観て、ようやく監督がシングルトンであることに気づいた。
 まあ、主役はチューナップカーなのだけれど。
 撮影現場でいかにも楽しそうな監督の姿が印象に残った。
 映画館では 観ることのできない特典だった。まあ、たしかに。

 このシリーズ、ヴィン・ディーゼルとミシェル・ロドリゲスが復活した第四作から、ハイパワーの戦闘アクションとして、拡大に次ぐ拡大を遂げていく。
 戦車も、飛行機も、ドローンも、この連中とスーパーカーの敵ではない!?
 次は、宇宙ロケットか。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

ボブ・ラフェルソン『ノー・グッド・シングス』  [BlackCinema]

 ボブ・ラフェルソン『ノー・グッド・シングス』 02年製作

 2003年2月7日金曜
b33.jpg

 原作はダシール・ハメット「ターク通りの家」。
 オー・ノー・グッド、というしかないな。
 ハメット独特の不条理感は、このような映画化をこうむることそれ自体の不条理さに換骨奪胎され……。
 ってな、意味定かならぬ感想を綴らせる結果になるわけだよ。
 ノー・グッド。

 コンチネンタル・オプの役をサミュエル・L・ジャクソン。これだけでもびっくり。
 ファム・ファタールにミラ・ジョヴォヴィッチは、まあいいとして。
 黄色い男に扮したステラン・スカルスガルドの低調さにはがっかりした。
 この俳優は『エクソシスト・ビギニング』でやっと真価を見せてくれた。

 とにかく国際色豊かな配役はハメット精神にふさわしいものなのだが。

http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17


nice!(0) 
共通テーマ:映画

アーネスト・ディッカーソン『ボーンズ』 [BlackCinema]

 アーネスト・ディッカーソン『ボーンズ』 01年製作
 2002年12月30日火曜 VIDEO
b32.jpg    b32b.jpg
 スヌープ・ドギー・ドッグ  パム・グリア
 ブラック版幽霊屋敷ホラー。
 だが、エディ・マーフィの『ホーンテッド・マンション』や、ハル・ベリーの『ゴシカ』などとは違って。
 どこが違うのかというと……。
 スヌープとパム。
b52c.jpgb52b.jpg
 これは、20年前の『ブラキュラ』路線なんだろう。
 子分に裏切られたギャングの復讐。亡霊になってもギャングはギャング。
 ホラーでも生臭い。スヌープの残忍なキャラがぴったり重なる。
nice!(0) 
共通テーマ:映画

エルドリッジ・クリーヴァーの死 [BlackCinema]

 エルドリッジ・クリーヴァーの死
 1998年5月1日金曜
 『ジャッキー・ブラウン』を観た翌日だった。
soul.jpgb51a.jpg
 元ブラック・パンサー党幹部クリーヴァーの訃報に接した。
 後年の思想的混迷の様相は、豊浦志朗『叛アメリカ史』に詳しい。
 晩年の生がどんなだったか全く知らない。
b51b.jpgb51c.jpg


 半年後の11月15日、同指導者ストークリー・カーマイケルが逝った。
 「国内に50、国外に50のヴェトナムを作り出せ」といった派手なスローガンが思い出される。
 騒々しくて空疎な「オオボラ」だったのか。
 違うだろ。
 現在のUSAの状況をまさに「預言」した? のでは?

 同じブラックパンサー党の幹部にラップ・ブラウンがいた。お喋りなので「ラップ」の愛称で呼ばれたのだ。
 想えば、パンサーの男たちは「ラップな」やつばかりだったんだな。
 ストークリーが20年後に生まれていたら、ストリート・ミュージシャン・ラッパーとして頂点に立ったかも。
 エルドリッジが演説する映像とかは観た記憶がない。
 けれど、アイス・Tアイス・キューブの「アイス」は、SOUL on ICE からとったんじゃないかな、やっぱり。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

ラリー・コーエン『ホットシティ』 [BlackCinema]

 ラリー・コーエン『ホットシティ』 96年製作

 1998年7月13日月曜 VIDEO
b50c.jpgb31.jpg
 『ホットシティ』 原タイトル『オリジナル・ギャングスタズ』
 ――なんとアイス‐Tの第四アルバムと同じ題だ。
 
 ブラック・ムーヴィーの短い歴史が、黒い暴力と黒いセックスをそれ自体としてのみ「黒い仮面」として商品化させられるという屈辱を含みながらも、90年代の黒人自身による表現として全面開花してきた過程に必然的に(?)生まれた不可思議な作品である。
 早い話が人物を黒人に置き換えただけの典型的な「現代やくざ映画」。
 二十年ぶりに戻ってきた故郷で悪辣な稼業を営むギャングたちを実力でたたきだす元ギャングスタズ。
 年のせいでなまってしまった体力を嘆きながらも、あこぎなまねをする新興のギャングたちに対決するセリフもおなじみのものだ。
 ――おれたちの時代にはこんな汚いマネはしなかった。
 カタギに迷惑かけちゃいけねえ……。
b50a.jpgb50b.jpg
 パム・グリア、
 フレッド・ウィリアムソン、
 ジム・ブラウン、
 ポール・ウインフィールド、
 そして黒いジャガーことリチャード・ラウンドツリー。
 すべてブラック・マッチョ時代の往年のアクション・スター。
 東映やくざ映画でいえば、鶴田浩二、若山富三郎、菅原文太、高倉健、藤純子のオールスター・キャストの復活のようなもんだ。
 かれらが二十年ぶりに荒廃した故郷の街に帰ってくる、これが『ホットシティ』の物語。
 かつてのアクション・スターたちが物語で体現する「オリジナル・ギャングスタズ」とは、いったい何者なのか。
 かれらの存在は抽象的な正義にすぎない。大衆的なヒーロー像。
 しかしアメリカの都市黒人において、二十数年前に在ったマッチョ・ヒーローの像は絶対に抽象に帰すことのできない存在だろう。
 かれらは過去からの亡者ではない。
 現実の歴史につながる。
 現実の歴史につながって、かれらは「自衛のためのブラック・パンサー党」と呼ばれていた集団を呼び戻しているのだ。 ブラック・コミュニティを自衛し、子供たちを麻薬から守り、女たちを暴力から守り、男たちにブラックマンの尊厳を与える集団――アメリカ社会がもはや永遠に失ってしまった理想。
 こうした理不尽な夢をブラック・シネマの多くが内包していることを否定する者はだれもいないと思える。

http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12


nice!(0) 
共通テーマ:映画

クェンティン・タランティーノ『ジャッキー・ブラウン』 [BlackCinema]

 クェンティン・タランティーノ『ジャッキー・ブラウン』 97年製作
b30a.jpg

b30b.jpg

 1998年4月30日木曜

 良くも悪くもブラックシネマの一時期は、
タランティーノ・スタイル(というか、タランティーノ=レナード・タッチ)によって幕を閉じられた。
 ポストモダン?
 脱イデオロギー?
 脱ナショナリズム?
 脱黒人至上主義?

b49b.jpg

 ヒロインはパム・グリア。
 すべての者はブラック・クイーンに平伏すのだ。理屈はない。
 70年代の黒人エロ映画でシコシコやって育った悪ガキがハリウッドの頂点に立って、パム・グリア賛歌のやりたい放題をやったわけだ。
 ブラック・エロスの女王。
 話は原作(エルモア・レナード)のユルさを拡大したようなところがあるし、他の役者も居心地悪そうだったが。

 すべてをかっさらったヒロインのドアップに、ボビー・ウーマックの「Across the 110th Street」がかぶってくる。
 パムの全身がシャウトする。このラスト。
 これだけなんだな。これが映画だっていう瞬間。
 だれがなんといおうと映画は女優だ。

 この呼吸は、かつての東映任侠映画が藤純子に捧げたオマージュの質と同じ。まったく同じなのだ。
b49a.jpgb49c.jpg


nice!(0) 
共通テーマ:映画

ビル・デューク『奴らに深き眠りを』 [BlackCinema]

 ビル・デューク『奴らに深き眠りを』 97年製作
 1998年4月15日水曜 VIDEO
b29a.jpgb29b.jpg
 これも未公開。
 主演のローレンス・フィッシュバーンと監督のデュークが共同制作。
 実話をもとにし、ティム・ロスとアンディ・ガルシアが有名ギャングスターに扮するという趣向だ。
 それにしてもクセ者ぞろいの配役だ。ブラックシネマの題材が30年代ギャングの時代に向かった一つの例。
 悪くはないね。
b47a.jpgb47b.jpg
nice!(0) 
共通テーマ:映画

 『グリッドロック』 [BlackCinema]

  『グリッドロック』 96年製作
b28.jpg
 1998年1月19日月曜 渋谷
 ヴォンディ・カーティス・ホール監督
 2PACは、公開時、すでに故人。
 『レザボア・ドッグス』で売りだしたティム・ロスとのハイGrid なコンビも一回きりに終わった。 
b46a.jpgb46b.jpg
nice!(0) 
共通テーマ:映画

『モハメド・アリ かけがえのない日々』  [BlackCinema]

 レオン・ギャスト『モハメド・アリ かけがえのない日々』 96年製作

 1998年1月13日火曜 渋谷シネマライズ
b26a.jpgb45a.jpgb45b.jpg

 スパイク・リー『ゲット・オン・ザ・バス』を試写で観てから、渋谷にまわり。
 『モハメド・アリ かけがえのない日々』を。
 Too Black, Too Strong.

 「現在」を映すドキュメンタリ・タッチと「輝かしき時代」を振り返るドキュメンタリ。
 同じ日に観るには、辛い二本だった。

 その後、DVDを購入したら、これは、別の作品。
 『モハメッド・アリ チャンピオンへの道』(1970)
b45c.jpgb45d.jpg

 


nice!(0) 
共通テーマ:映画

ダレル・ジェームズ・ルート『輝きの大地』 [BlackCinema]

 ダレル・ジェームズ・ルート『輝きの大地』95年製作
b25a.jpgb25b.jpg

 1997年6月2日月曜 試写
 ブラックシネマではなく、南アフリカ発信の感涙ドラマ。
 原作はアラン・ペイトンの「Cry , the Beloved Country」
b44a.jpgb44c.jpg

 アパルトヘイト状況下の南アフリカ共和国を舞台に、宿命的な人種差別の悲劇を描く。
 ジェームズ・アール・ジョーンズ
 リチャード・ハリス
 二人の圧倒的な演技に、ハンカチが一枚では足らない。
 とはいえ、不思議と息苦しさを感じさせなかった。
b44b.jpg
nice!(1) 
共通テーマ:映画

フォレスト・ウィテカー [BlackCinema]

 この人を忘れるところだった。
 フォレスト・ウィテカー
 チャーリー・パーカーとイディ・アミン。
 20年の間隔があるとはいっても、同じ俳優が演じるのは只事ではない。

『バード』 (1988)                 『ラストキング・オブ・スコットランド』 (2006)

b48e.jpg   b48g.jpg


 これは芸域の広さとか、そういう問題ではないだろう。 
 『バード』以前に、『ハスラー2』『プラトーン』『グッドモーニング、ベトナム』があった。

b48a.jpg   b48b.jpg

b48d.jpgb48c.jpg

 『バード』の名演を眼にしても、当然のような気がしたものだ。
 その後、『レイジ・イン・ハーレム』 (1991)が「地」に近い役柄だと思わせるが。
b48f.jpg

 久しく役に恵まれていない、ということか。


nice!(1) 
共通テーマ:映画

スパイク・リー『ゲット・オン・ザ・バス』 [BlackCinema]

b000.jpg

 スパイク・リー『ゲット・オン・ザ・バス』 96年製作
 1998年1月13日火曜 試写
b27.jpgb43a.jpg

 

b43b.jpgb43c.jpg

 頂点の時期は去ったとはいえ、作品は産されていく。
 ある意味、これは、スパイク・リーの「ブラックシネマ撤退宣言」のようなものか。


nice!(1) 
共通テーマ:映画

パム・グリア 『コフィ』 [BlackCinema]

 パム・グリア 『コフィ』 73年製作
bs7b.jpgbs7a.jpg 
 1997年7月23日水曜 試写
 ブラック・スプロイテーション・クイーンの伝説的作品。
 時ならぬ復活は、
『ジャッキー・ブラウン』公開の前宣伝のため。
 クェンティン・タランティーノのプロデュースによるリヴァイヴァルだ。
 タランティーノはポストモダンのホワイト・ニグロ。
 一昔前のノーマン・メイラーのコピーだ。
 その感性はともかく、観続けていたという「不良映画」の質が70年代の東映B級フィルムと見事にシンクロニシティを呈していたことは驚きだった。
 そういえば千葉真一(ソニー・チバ)主演のカンフー映画は日本でより以上に、アメリカの黒人観客に人気を博したという。
 その「仁義返し」が『キル・ビル』だったわけだ。

 パムのブラック・スプロイテーション時代の作品は、その後、多くを観る機会があった。
 そのレポートは、いずれ、近いうちに、このページで。


nice!(0) 
共通テーマ:映画

アイス・T [BlackCinema]

b42d.jpg
アイス・T=オリジナルギャングスター

 とにかく『サバイビング・ゲーム』 (1994)だけでも残るだろうな。
 『リコシェ』『トレスパス』『JM』と、だんだんつまらない役に下降していくんだが。

『ワイルド・ガン』 (1997)              『クレイジー・シックス』 (1998)
b42b.jpg     b41g.jpg
 アルバート・ピュン作品が二作つづく。
 悪くはないけれど……。
 次の『アンド・ジャスティス』には、呆れた。 

『アンド・ジャスティス 'N JUSTICE』 (1999)     『N.Y.ギャングスターズ』 (2013)
b42a.jpg     b42c.jpg

 最近は、テレビドラマ専任になっているようで。
 久しくお目にかからない。
 監督作『ART of RAP アート・オブ・ラップ』 (2012)は、どうかな。
b42e.jpg

 


nice!(0) 
共通テーマ:映画

ヴィン・ディーゼル 『ピッチ・ブラック』 [BlackCinema]

 ヴィン・ディーゼル 『ピッチ・ブラック』 00年製作
b38a.jpgb38b.jpg 
 2001年7月22日日曜
 初主演作の『ピッチ・ブラック』はイマイチのSFだった。
  続編の『リディック』のほうがもっとガッカリさせられたが。
 真価をみせたのは『ワイルド・スピード』



 『トリプルX』でも、まだ巨体をもてあましているようなところがある。
bs10a.jpg
 自動車泥棒がスパイにリクルートされるまでの前半を過ぎると、どうでもいいって話に失速していく。
 007とシュワルツェネッガー・アクションのミックスで、ディーゼルの個性が際立ってこない。
 アーシア・アルジェントとのコンビがわずかに異彩を放っていた。
 これも、まあ、たんにバッド・チューニングだっただけかも。


 最新作はコメディ『キャプテン・ウルフ』(2006) 
 これなんかも、シュワおやじがたどった路線の二番煎じの気がするし。
 大当たりを待つしかない大物スターだ。

  ……などと書いたのが、数年前で。
 待望の続編『リディック:ギャラクシー・バトル』 (2013)が実現した。
b38c.jpgb38d.jpg

 ドル箱となった『ワイルド・スピード』シリーズ。
 何の事はない、これが、007のような複合エンタメ・アクションに肥大した。
 とくに、ザ・ロックが常連に入った第五作目くらいから。
 最新の『ワイルド・スピード SKY MISSION』 (2015)は、仇役にジェイソン・ステイサム。
 不死身の相棒役は、リアル世界で事故死を遂げてしまったが……。
 まだまだ拡大していきそうなシリーズだ。
b38e.jpg



nice!(0) 
共通テーマ:映画

ヴィング・レイムズ『ローズウッド』 [BlackCinema]

 ヴィング・レイムズ 『ローズウッド』 96年製作 未公開
b37i.jpg

 1998年1月12日 VIDEO
 ジョン・シングルトン監督の傑作。
 残念ながらVIDEOで観るしかなかった。
 体裁は歴史ドラマだが、差別の実相を正面きってあつかうヘヴィな作品は敬遠されたということか。
 なんとも惜しいことだ。
 ジョン・ヴォイト マイケル・ルーカー ドン・チードル

 レイムズといえば、『ミッション:インポッシブル』 シリーズの常連。出番はだんだん少なくなっているが。
 準主演で仇役をやると、ピッタリくる。
 その意味では、ウェズリー・スナイプスとの殴り合いデスマッチ『デッドロック』 (2002)がベスト。
b37c.jpgb37b.jpg

 他に、『サウスセントラルLA』 (2001)        『ドーン・オブ・ザ・デッド』 (2004)
b37a.jpg    b37d.jpg

『ザ・トーナメント』 (2009)
b37e.jpgb37f.jpg
 ロンドンの街中を「競技場」にした殺し屋オリンピック。
 バカっぽいドンパチ映画で「勝ち残って当たり前」の役がよく似合う。
 っていうか、「不死身の怪獣ファイター」専門のイメージになりつつある?

『ソルジャーズ・アイランド』 (2012)           『MAFIA マフィア』 (2011)
b37g.jpg    b37h.jpg 
                                 いや、これは。 観たのを後悔する1本。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

マリオ・ヴァン・ピーブルズ [BlackCinema]

マリオ・ヴァン・ピーブルズ
 主演作を並べると、これはもう、B級アクションスターそのもの。
 しかし、『ハートブレイクリッジ』(1986)で、イーストウッドを喰ってしまった鮮烈さを忘れるわけにはいかない。
 それに先立って、『エクスタミネーター2』 (1984)の、気色の悪い悪役があった。
b41a.jpgb41b.jpg

 ブラックシネマの時代に監督に進出。
 『ニュージャックシティ』『黒豹のバラード』『パンサー』と、記念碑的な監督&主演作を撮った。

『シュリンジ』 (1993)
b41c.jpg
 狼男ホラー・アクション。
 B級ぶりが似合ってくるのは、すでにこのあたりからか。

 監督・主演作として
 『ギャング・イン・ブルー』 (1996)                   『ワイルドスティンガー』 (1998) シナリオも担当。
b41d.jpgb41f.jpg

 

 あとは主演のみだが、キヤラクター的には同一。
 一定していて、華がない。

『サイバー・ソルジャー』 (1996)         『クレイジー・シックス』 (1998)
b41e.jpg      b41h.jpg

『クロッシング』 (1999)                 『カリートの道 暗黒街の抗争』 (2005)
b41i.jpg      b41m.jpg

 その他の作品も含めて「名作」のたぐいは一つもないけれど。
 監督をやれば、不器用さが目立つし、演技もだんだんと愚直になっていく。
 メッセージ性の強さが「作品性」を弱めてしまう、という典型。

 久しぶりの監督・主演作が『バッドアス!』 (2003)
 伝説のブラックシネマ『スウィート・スウィートバック』 (1971)制作のインサイド・ストーリーで、おやじのメルヴィン役を演じた。
b41k.jpg
b41j.jpgb41l.jpg

 これがゴールだとすれば、何とも……。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

アイス・キューブ 『デンジャラス・グラウンド』 [BlackCinema]

 アイス・キューブ 『デンジャラス・グラウンド』 96年製作 未公開
b36a.jpgb36b.jpg

 1997年9月22日 VIDEO
 未公開作品をVIDEOで観るという機会が増えてきた。
 監督は『輝きの大地』のダレル・ジェームズ・ルート
 共演はヴィング・レイムズ
 テーマは南アフリカとアフリカ系アメリカ人の関わり。
 キューブは製作も兼任。


 「吊り目のコリアン野郎を叩き出せ」のライムで売り出したラッパー キューブも、俳優としてはまだ大ヒットに恵まれない。
 『アナコンダ』『スリー・キングス』『ゴースト・オブ・マーズ』『トルク』など、そこそこのアクション演技しかみせていない。
 キューブでなくては務まらないという役は、映画デビュー作『ボーイズン・ザ・フッド』のみなのだ。
 残念ながら。
b36c.jpgb36d.jpg

 最近は、『バーバーショップ』 (2002)とか、『ライド・アロング ~相棒見習い~』 (2014)とか、コメディのシリーズ作でよく見かけるのであるが……。
b36e.jpgb36f.jpg


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

サミュエル・L・ジャクソン [BlackCinema]

 サミュエル・L・ジャクソン 『187 ワンエイトセブン』 98年10月
bs8d.jpgb35d.jpg
 よくある「暴力教室」もの。
 なかでも、ダントツの後味の悪さで記憶にまとわりついている。
 とはいえ、サミュエル・L・ジャクソンの過剰すぎるオーバーアクトが、かえって救いだったような。
 後から思い出すと、笑えてくるのが不思議だ。


『パルプ・フィクション』 (1994)
b35a.jpgb35b.jpg

 ある意味、最もタランティーノ・スタイルの黒人スターがサミュエル・Lだ。
 『パルプ・フィクション』でジョン・トラヴォルタと殺し屋コンビに扮して、無駄口を応酬する移動(任務を果たしに行く)シーンなど。
 これはタランティーノがエルモア・レナード小説の映画的タッチを、フィルムに反転させることにみごと成功したシーンでもあるが。
 ジャクソンの持ち味を余すところなく切り取った。
 アフロヘアのズラが徹底的に似合っていないところも、また得がたい個性なのだ。
 後につづく、この人の複雑な陰影とさまざまのキャラクターのすべてはココから発しているような。
 ブラック・タフガイの外見で凄んでみせるほど滑稽で笑えてくる。

 『シャフト』 02年6月8日土曜
 このリメイク版『シャフト』なんかがいい例だろう。
bs8a.jpgbs8b.jpg
 並べてみたのは、オリジナル版『黒いジャガー』(1971)

『フレッシュ』 (1994)
b35c.jpg

『ジャッキー・ブラウン』 (1997)
b35e.jpgb35f.jpg

『ノー・グッド・シングス』 (2002)          『フリーダムランド』 (2006)
b35g.jpg    b35h.jpg


 作品リストを見なおしてみると、じつにいろいろと多彩に登場しているな。
 アメリカ大統領役もあったし。
 何を演っても、サミュエル・Lが突出してしまう。
 黒いセールスマンとか、ホラー・ホテルの支配人とか、蛇使いの狂信者とか。
 フツーでない男をフツーに「地」で演じてしまうので、観るほうの有り難みも目減りするのかもしれない。
 『ノー・グッド・シングス』 と『フリーダムランド』。他の作品は、申し訳ないことながら、ごっちゃになっている。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画